オーディオ装置のページ



【02年5月現在の装置】
CDプレーヤー  wadia860
アンプ       JEFF ROWLAND CONCENTRA2
スピーカー    JBL Ti2k
インターコネクト ストレートワイアー クレッシェンドXLR
SPケーブル   MIT MH750 Shotgun System Bi-Wire
ラック        Zoethecus


装置は本当は上のとおりなのだけれど、今はこんな状態。


wadiaを調整に出し、代わりに ARCAM FMJ CD23 がやってきた。
一番上は、逸品館のTERA cryo LTD (アンプ)。これも貸出機。アンプを探していた時に試聴を申し込み、半年位してから返事をいただけた。アンプはもう買い換えてしまったけれど、せっかくだから試聴させていただきました。逸品館さん、すみません。

TERAの下はNECのCD-10(CDプレーヤー)。wadia の前に使っていたもので、今でもこの音は好きだ。

このところ集中的にショップや輸入代理店のイベントに参加して、音をきいてみている。

2002年1月19日 サウンドクリエイト ゲスト:浅沼予史宏氏

2002年1月26日 タイムロード ゲスト:菅野沖彦氏、柳沢功力氏
2002年2月23日 大場商事 ゲスト:菅野沖彦氏
2002年3月30日 ステラヴォックス ゲスト:麻倉怜士氏
2002年4月14日 大場商事 ゲスト:石原俊氏

TGメタルの「TGサンド」をスピーカースタンドに詰めた。
左右で合計7箱、35Kg入った。
低音が痩せずに引き締まる。

これがTGサンド。砂粒状の鉛。1箱5Kg。


適当に10箱買ったので、3つ余った。残りは何に使おう?



こうしてみる。


音は少しすっきりしていいんだけど、見た目がこれじゃ、あんまりだ。


きれいな布にでも包んでみようか。

5月3日に、ダイナミック・オーディオ厚木さんの「クレモナ試聴会」に行って来た。

味のある男、とは例えばこういう人のことなのだろうな。たぶん俳優という職業も合っているのではないか。まずは、「無口だけど実はお茶目なところもあるバーテン」の役どころがよいと思う。僕が思っていても仕方ないんだけど。


四谷のいーぐるに行ったら、村井康司さんの解説で「20世紀音楽としてのジャズ その7」というのをやっていた。今回は1972年から75年までの作品から、21曲を紹介。必ずしもジャズに限るということではないらしく、半分以上がロックだった。いーぐるできくディープ・パープルというのも乙なものだ。

ニック・デカロの「イタリアン・グラフィティ」というアルバムはジャケットに本人が写っているんだけど、うさんくさいイタリアのおっさんという感じで、どうにもきく気にならなかった。

でも、そんなことでこれまですれ違っていたなんて、僕はなんてもったいないことをしていたのだろう。
今回のイベントで初めてきいて、すっかり気に入ってしまった。手に入れて、じっくりききたい。

こういう出会いがあるから、誰かに何かを解説していただく機会というのは、大事にしたいと思う。

いーぐるのスピーカーは壁に埋め込んだJBL。でも、低音がブーミーになったりはしない。高域は少し刺激的かなあ。ベースの音がいかにもJBLで、ブルブル、プルプルと迫ってくる。


アナログを復活  2002年5月12日

4月に山本耕司さんの StudioK's に伺って、音をきかせていただいた。
CDも素晴らしかったけれど、アナログの自由自在な表現力は、圧倒的だった。

以前使っていた DENON のプレーヤーが動かなくなって、僕はアナログを中断していたのだけれど、この体験をして、「復活させない訳にはいかない」という気になってしまった。

早速ヤフオクでビクターのADプレーヤー QL-A7 をGET。フォノ・イコライザーも SOUND PE700 がタイミングよく SIS に入荷し、昨日見に行ったら状態もよかったので、手に入れることにした。

でもこれが問題。

今の装置のコンセプトは「シンプルであること」で、アンプはプリメイン、CDPは一体型にした。これを3段ラックに入れて、一番上の段はその時よくきいているCDなんかを置いておく、という具合。
ここにいきなりADプレーヤーとフォノイコだから、段が足りなくなってしまった。

仕方ないからフォノイコにはとうぶん床で我慢してもらおう。しかし、直置きでスピーカーのすぐ横っていうのもなあ。

アナログは休止していたけれど、ソフトは取っておいたので、これからゆっくりきいていこう。シートもパイオニアのJP501を捨てずに持っていてよかった。

カートリッジは、プレーヤーに付いてきたダイナベクターの安そうなMC型でとりあえずきいている。

こんな状態だけど、不思議なことに、ぜんぜん悪くない音だ。


4月のStudioK'sでの出来事はかなり衝撃的だったので、他にもいろいろと影響を受けている。


5月14日、Axiss から wadia が戻ってきた。

通電2日ほどで調子が出てくる。アナログもいいけど、wadia できくCDもやはり楽しい。

しかし、シルバー、ブラックにゴールドと木目。みごとに見た目が分かれた。シルバーとブラックだけだった時は、「ちょっとミスマッチだったかな」という印象だったが、ここまでくるとかえって自然に思えるから不思議だ。

ZYXクライオカートリッジを入手。スケルトンなので、シェルにつける時はすごく緊張します。

久しぶりに早稲田から高田馬場にかけて散策してみる。大学近くにあった、渋い音でロックをきかせる喫茶店はもうないようだ。カラカラに乾いたイーグルスをききたかったのだけれど残念。パチンコ「みよし」は健在なのに(別にいいけど)。
高田馬場の中古レコード「タイム」が変わらずに頑張っているのには少し驚いた。西口にも「ハリー」「diskfun」の2軒の中古レコード店を発見。結局、JAZZとクラシックのLPを全部で35枚買ってしまった。タイムはさすがに歴史のある店なので、盤質等ハズレがない。ハリーはクラスS(新品同様)表示の盤が反っていたり、少しムラがあるかな。でも1枚200円〜400円と安い。diskfunは種類が少なく値段も高めだけど、お店は混んでいた。初心者の僕にはわからない良さがあるのかも知れない。
小さな輸入レコード店はつぶれるか、渋谷のCISCOのようにHOUSE系に転向するかしているが、中古レコード店は健在、というのが現状なのだろうか。
introに行くと店員さんに「ここへはよくいらっしゃるんですか?」と聞かれ、「20年ぶりです」と答える。PA型のホーンウーハーは相変わらず。音は残念ながらにごりがちで、古くなってしまったのかな、という印象。でも、シンバルのシズル感はさすがだ。

5月25日に「StudioK'sで音と戯れる会」第1回の集まりがあった。参加者は僕を含めて6人。いろいろ実験みたいなこともやって、1回目からずいぶん盛り上がった。「悪いことなら何でもやった」と言えばあばしり駄右衛門だけど、「オーディオのことなら何でもやった」という感じの山本さんの主催だし、参加者の皆さんも熱心なので、これからも楽しみだ。そういう訳で、「山本さん=あばしり駄右衛門説」を提唱してみようかな。極悪人だそうだし。

【CDよりもアナログの方が音がよいと思えることに関する考察その1】

実際にCDよりもアナログの方が音がよい。それはCDのサンプリング周波数に関する考え方が間違っているから。2つ以上の音が鳴っている場合、その差を表現するために必要なサンプリング周波数は、人間の可聴帯域がどこまでかということとは関係がない。無限大である必要はないのだろうけど、人間が識別できる時間差までの細分化が必要なのであって、個々の音を何KHzまで記録できればよいかというのとは別の問題。
……と思うのですが。まあそれを言ったら、分解能が16bitでよい根拠も無かった訳だけどね。

【CDよりもアナログの方が音がよいと思えることに関する考察その2】

CDだけきいていると耳が音に慣れてしまうが、ADは少し違う音がするので新鮮にきこえる。音がよいというより、音が変わることがポイント。そういえば、ADを復活させてから、CDもそれ以前に比べ音がよくなったように感じる。僕の場合は、こちらの方が大きいのかなあ。


お?これは何だ?

山本さんがタオックのラックを安く譲ってくれたので、フォノイコが床置きから解放されました。
ついでにマイクロ DQX-500をお借りしてしまう。オーディオテクニカのアームAT1010が付いていて、ZYXはこちらの方が明らかにいい音だ。マイクロは今月中にお返しするので、そこに空きの段ができる訳だし、また何か危険なことを考えてしまいそうな予感。

段々、マニアックな部屋になってきたような気がする。 2002.06.02

簡易オーバーハング調整ツール。ハガキで作る。これは瀬川冬樹さんのアイデアだったかな?


現状ではビクター QL-A7 よりマイクロ DQX-500 の方が音がよいが、この2つで何が違うか? フォノイコ以降は同じだから、違いは@ターンテーブル、Aアーム、Bフォノケーブルということになる。ターンテーブルは見た感じビクターの方がよさそうなくらいだ。マイクロのアームはテクニカAT1010だから、ビクターの付属アームよりはだいぶいいんだろうけど、これはちょっと手の加えようがない。ということで、相当年季が入ったビクターの直出しフォノケーブルを取り外して、RCAケーブルを使えるようにしてみた。
これが正解だったようで、2つのプレーヤーは同程度か、組み合わせの問題もあるのだろうけど少しビクターの方がよいか、という程度の状態になった。古くなったケーブルは取り替えてみるものですね。これならビクター+ZYXでじゅうぶん楽しめそうだ。50年代のJAZZの香りを楽しみたい、というようなことには、別のアプローチが必要だけど。
2002.06.08

吉祥寺のメグに行く。僕がいた間にかけてくれた3枚は、全部LPだった。メグはけっこうCDもかけていたと思うけど、最近はLPに凝っているのかな? メグの装置は、マッキントッシュのアンプにエレクトロボイスのスピーカーという組合せ。それにしては、古い録音よりも新しい録音の方が合っているような気がするのが不思議だ。

オーディオユニオンでは、ヤマハGT2000とケンウッドKP9010の中古が数台置いてあった。どれも「売約済み」か「商談中」(しかも複数)の札つきで、人気は高いようだ。今見てもすごく重厚な作りで、キャビネットやターンテーブルだけでなくアームも立派だから、それもうなずける。ヤマハなんて、当時の定価より高い148,000円の値付けで、ちゃんと売れてました。

中古レコードの「バナナレコード」でシェリー・マンのSWINGING SOUNDSを入手。喜んでいたらディスクユニオンにも同じものがあって、しかも少し安かった。「まあ、こういうこともあるさ」と自分を慰める。
一緒にソニー・ロリンズ「サキソフォン・コロッサス」のステレオ盤も手に入れたけど、こんなのがあるとは知らなかった。疑似ステレオ? それにしては、きいてみても特に不自然な感じはしないし、サックスの音にも力があって、気に入ってしまった。

すっかり中古レコード店めぐりに凝っていて、秋葉原のRECOfanへ行く。TELDECのDMM(Direct Metal Mastering)盤を初めて手に入れた。DMMはマスターテープから直接メタルマザーをカッティングする方式で、かなり画期的な技術だったのだけれど、世に出るのが遅すぎてCDの陰に隠れてしまった。レコード特有のノイズがほとんど感じられないから、DMMが先に普及していれば、レコードからCDへの世代交代の仕方もずいぶん変わっていたかも知れない。


モノラルのカートリッジを買って、「モノラー」への道を歩み始める(?)。
これはオルトフォンのCG25Di。SPUにも「Mono」というのがあるので、違いをジュピター・オーディオの人に聞いてみた。
「SPU Mono」は、針の作りはステレオ用なのだが、信号出力上は縦の動きを無視する。これに対し、CG25Diは針自体がモノラル用で、横にしか動かない。だから、CG25Diをステレオのレコードに使うと溝を壊しちゃう。でも、CG25Diの方がよりモノラルらしい音をきける、のだそうです。
J1プロジェクトのスパイク。製品の代替わりで旧タイプが半額になっていた。スピーカーのスパイクを変えてみたかったので、ちょうどよいと買ってきたのだが……。
ネジの径は合うけれどピッチが違っていて、残念ながら使えず。なのでこれは明日返品になる。音もきけなかったけど、とりあえず記念撮影。

ヤマハGT-2000

ビクターのアームにCG25Diを付けるにはサブウェイトが必要なので、ZYXと付け替えながら使うのはちょっと厳しい。マイクロのターンテーブルはそろそろ返さなきゃいけないし、どうしよう。……ということで、GT-2000を導入。こちらはCG25Diがぎりぎりサブウェイトなしで付けられる。モノラルをヤマハ、ZYXをビクターでいくことにする。
なにやら「アナログ中心のシステム」っぽくなってきたな。CDもけっこうきいているんだけど。


BLUE NOTE 「SONNY ROLLINS Vol.2」のDMM盤を入手。1985年のプレスのようだ。こんなのもあるんですね。もしかすると、BLUE NOTEのDMMシリーズなどというものがあるのだろうか。だとしたら、もっと欲しいなあ。 2002.06.23

モノラルの鳴り方が不満なので、CDに合わせて調整してあったスピーカーまわりを少し変更。パワフルに鳴るようになって満足する。でも、この状態だとCDに「やり過ぎ感」が出てくる。この辺のバランスをどう取るかが今の課題。

アナログはカートリッジの針の振動で音を拾うから、揺れに弱い。演奏中のプレーヤーを手で揺らしてみれば、音程が定まらなくなるのが分かるはずだ。特にピアノの音はこの影響が目立つので、ピアノをいかにきちんと再生できるかというのが装置の一つのクリティカル・パスになっていた。アナログしかなかった時代には、ここをクリアしないと満足のいくピアノの音を再生する術がなかった訳で、これは重要なことだった。プレーヤー・システムが優れていてもレコード盤が反っていれば揺れは発生するから、ターンテーブルにレコード盤を吸着させるなんていう、少し神経症的なんじゃないかと思わせるような製品まで出ている。他にリファレンスになるものもないから、揺れが装置のせいなのか、そういう音でレコードに入っているのかも、よくわからなかった。
その後、これはCDによって劇的に改善される。CDでは、どんなに安いプレーヤーを使ったって、ピアノの音程に揺れを感じたりすることはない。たくさんのレコードがCDに復刻されているから、音源の揺れはどの程度なのか確認することだってできる。
おかげで、今アナログをきく僕たちは、とてもおおらかな気持ちで音楽を楽しむことができる。アナログをきくときはアナログのいいところだけを楽しんで、ピアノの音程が少々揺れたって気にしないでいられる。揺れのないピアノがききたければ、録音の古くないCDをきけばいい。
いい時代になったものです。


GT-2000とZYXの組合せにすると、腰の据わった、粘りのあるリズムがきける。モノラルはカートリッジの個性が強いせいかヤマハとビクターで大きな差はないので、ZYXはヤマハでいくことに変更。アル・ディ・メオラとパコ・デ・ルシアの「地中海の舞踏」なんかをきくには少し重たいけど、そういう極端なのはCDできくことにしよう。
フォノイコのPE700にはMCとMMの2つの入力があって、切り替えも前面のスイッチでできる。CG25Diは出力が1.5mVあるのでMM入力でもいけるから、ZYXをMC、CG25DiをMMで入力している。こうすると面倒なケーブルの差替えをせずに、フォノイコ1台で2系統のアナログを楽しめる。細かいことを言えば、CG25DiもMC入力にした方が音に力が増すけれど、こういうのは使い勝手とのバーターで、僕はいい加減だから使い勝手をとる場合がけっこう多い。


事情があって4月にツイーターを交換したが、ここへきてようやく音が落ち着いてきた。黄昏時にリンドベリのギターなんかをきいていると、「ああ、いい音だなあ」と思う。こういうときはもう、人生ってなんて素晴らしいんだろうと、ただただ幸せな気持ちになる。

でも、幸せは長続きしないのが人生だ。「クラシック・ギターはいい感じだけれど、スチール弦のアコースティック・ギターの音がちょっと違う」などと思い始めると、この先の人生でもう何もいいことなど無いに違いない、と悲しくなる。……ていうのはおおげさだけど、一喜一憂しちゃうわけですね。

サントリー・ホールでチャイコフスキーのピアノ協奏曲と交響曲をきく。オーケストラはB&Wのスピーカーがきかせてくれる音に近く、「B&Wのスピーカーって優秀なんだなあ」と思う。……いや、コンサート会場でそんなことばっかり考えていた訳ではないけど。

お茶の水の中古レコード店「ハーモニー」に寄ってみる。何万円もするクラシックのオリジナル盤中心のお店なので、めったなことでは買えません。スウェーデンのBISのレコードなんかもあって、こういうのはそんなに高くないから、いいのがあれば買っても損はないかも。
少し歩いて「マーブルディスク」へ。ここはすごい。そのたたずまいは、「お店」と「ごみ箱」の中間くらいに位置している、と言っておおげさじゃない。いかにも掘り出し物がありそうでもある。でも会社帰りの疲れた身体には、ここで根気よくレコードを探すのはきびしい。また元気なときに来よう。
そして「ディスクユニオン」へ。ポール・チェンバースの「ベース・オン・トップ」を買ったが、家に帰って中を見るとステレオ盤だった。僕はモノラルが欲しいのに。「このアルバムのジャケット・デザインはモノラル盤でリリースされた初版を使っております」と中に書いてあるけど、それじゃ外から見たらわからないじゃないか。57年の録音だけど、これはさすがに疑似ステレオではないから、ブルー・ノートもこの頃には既にモノラルとステレオの並行で録音していたということかな。


7月7日に大場商事のイベントでウィルソン・オーディオのスピーカー「SYSTEM-7」をきいた。アンプはジェフ・ローランドのシナジー2iとMODEL12。エミルー・ハリスのボーカルの表情、ギターのザクッとした質感が素晴らしい。SYSTEM-6からの変更点の一つがウーハー・ユニットだそうだが、確かに低域がいい意味でタイトになった。僕はコンセントラ2を買うときにSYSTEM-6で試聴しているのだけれど、壁や機材から十分に離したセッティングでも低域がだれてしまい、「このアンプではウーハーを全然コントロールできていない」という印象だった。今回はパワーアンプがMODEL12だったということはあるけれど、SYSTEM-7になって組み合わせるアンプの自由度はずいぶん広がったのではないかと思う。

audio sharingというサイトがあって、五味康祐さんや岩崎千明さんなどの文章を許可を得て掲載されている。瀬川冬樹さんも載っていて、何気なく読んでいたら「JBL#4350を鳴らした話」というのがあった。サンスイのショールームで、4350を参加者の目の前で調整するイベントをやったという話なのだけれど、僕は同様のイベントに参加していて、その時のことを懐かしく思い出した。瀬川冬樹さんは、当時のオーディオ評論家の中でも特に「使いこなしの達人」と言われていた方だから、その技を生で見ることができるというのは貴重な場だ。僕が参加したときのスピーカーはたぶん4344だったと思う。文章にもあるけれど、かなり無茶な企画でもあるので、僕が参加したときも最初はなかなか調子が出ず、後半になって具合がよくなり、かなり時間をオーバーして終わった記憶がある。

サンスイのショールームは贅沢なゲストを用意するところで、菅野沖彦さんや黒田恭一さん、レコーディングエンジニアの行方洋一さんなど、有名な方が頻繁にイベントを開かれていた。
黒田さんのイベントはテレビで見かけるNHKのアナウンサーの人がよく聞きに来られていて、ただでさえライブに作られた試聴室の中、ものすごく響く声で質問されていたのが何となくおかしかった。

行方さんはオープンリールのテープを音を出しながら手で回し、録音された演奏のねらった場所を正確に頭出しする技を見せてくれた。「アメリカのエンジニアはこれができないから、アチラのミュージシャンにこれで演奏のいいところを継ぎ替えしてやると、すっごく感激するんだよね」なんて言ってた。確かに普通の耳には「グニューン、グイグイグイ」としか聞こえないのに、フレーズの頭がバッチリ出ているのには驚かされた。

ギタリストの××さんのレコードの早弾きフレーズが、実はテープの早回しだなんて話もしていたな。僕はこれで「人の口に戸は立てられない」ということを理解した。

油井正一さんや岩浪洋三さんを始め4〜5人のジャズ評論家が集まって、素人の参加者が持ってきた自慢のアルバムをきくというイベントもあった。あるとき、参加者の一人がテナーのアルバムをかけて、「日本では、スター性のあるミュージシャンばかりが評判で、こういう本当に素晴らしい演奏をするミュージシャンが評価されないから困る」と言った。しかしそこにいるのは、日本のジャズの世論を作っているのは自分たちだと思っている評論家の皆さんだ。皆、目の色を変えてそのテナーをこき下ろし、可哀相なその参加者はすっかり居場所がなくなってしまった。高校生だった僕にはそのテナーの善し悪しはよくわからなかったけど、たとえ良いにせよ、発言する場を考えないとえらい目に遭うものだということはわかった。
でも、もしかしたら彼は、あの評論家の人たちに直接それを言う機会を得て、喜んでいたのかも知れない。日本を代表するジャズ評論家たちを集めて、自分が持ってきたレコードを聴かせながら、「あなた達はちっとも評価しないけど、このミュージシャンすごくいいだろう」みたいなことが言える機会なんて、なかなかあるものじゃないですよね。
ところであのテナーは誰だったんだろう。そのときは知らない名前だったし、覚えられなかった。気になるなあ。なんとなくティナ・ブルックスだったような気はするけど。


純正スピーカースタンドの下に、借り物の台。頑丈な木枠に鉛と砂を詰めて、砂の上に板を置いて蓋にしている。

まず、単純に台の上に置く。外側の木枠で重量を受けることになるが、これだけでも低域方向の「CDのやりすぎ感」はだいぶおさまった。

次に、黒檀のキューブを使って台の内側、鉛と砂の上の板に重量が乗るようにする。こうすると変化は大きい。音色の固かったところに柔らかさが出て、細かなニュアンスの表現力が増したようだ。スピーカー自体の振動や、他の機器への振動の伝わり方に変化があったのだろう。床の弱い部屋ではないし、ラックもそれなりのものを使っているけど、振動の影響は大きいのだなあ。


ウミガメくんの勇姿

う〜っす んじゃっ!

ウミガメくんと出会った旅行に持っていったCDはこの6枚。
ジョージ・デューク、ジョン・レノン、ポリス、パット・メセニー、シェリル・クロウ、セックス・ピストルズ。

セックス・ピストルズって今きくと「シンプルでわかりやすいメロディーの曲を演奏する、とってもききやすいバンド」だ。あの頃はそうはきこえなかったけど。

ポリスはやっぱり初期の曲が最高だね。

旅行の前日、7月27日は「音と戯れる会」の3回目でStudioK'sへ行き、その前日にはShuksさんのお宅に初めて伺った。これもあって、今年の夏休みは1週間連続にした。こんなに長く会社を休んだのは久しぶりだ。最近は会社が「休暇をきちんと取得するように」と言うので、このくらいの休暇を取るのは普通になってきた。世間の皆さんもそうなんでしょうか?

Shuksさんのお宅はHP「Shuksの部屋」にあるとおり、たくさんの機材とソフトに囲まれたワンダーランドだ。ご本人は「これまで足し算でやってきたので、これからは引き算の美学でいく」と、機材の整理を考えているよう。でも、D−55もJBLもブリロンもそれぞれよかったし、僕としてはこれからも各々の個性を伸ばす方向でやって欲しいなあ、と思う。家の中のスペースの問題もあるようだけど、それは他の趣味の蒐集物も多すぎるからでは? ……なんて、余計なお世話を言いたくなるくらい、Shuksさんのお宅は楽しいところでした。まあでも、JBLを手放すのだけは反対だな。あの中でどれか一つにするなら、JBLでしょお


「音と戯れる会」では、サーロジックのサブウーハーの試聴と、カートリッジ7種のきき比べ。これだけでもなかなか他では得られない経験だけど、これを山本サウンドできけるのがこの会のすごいところだ。そこでは美しい音は美しく、激しい音は激しく鳴り、リズムは円を描いて宙に舞い上がり、すべての楽器は歌い出すのだ、と書いておこう。文章で音のことを伝えるのは難しい。本当のところは、実際にきいてみなければわからないものね。

ということで、実際にきいてみたい人はStudioK'sのホームページを見て、「音と戯れる会」に行ってみるのもよいでしょう。

ミュージシャンでオーディオに入れ込む人は少ないとよく言われるが、まあそれは当然のことだと思う。

自分が演奏しているときのフィーリングは、オーディオでは再現されない。例えば、そうだなあ、ソロを取っているときに、ベースが挑発してリズムをうねらせてくる、その感じは言葉にするのも難しいけど、ある種のトリップ感覚と言うのが近いのかなあ。そういうのをきかせてくれる装置に出会ったことは、正直言って、ないです。
だから、ミュージシャンでありながらオーディオにそれなりの力を入れている人は、何か別の、次のようなタイプであると思われる。

という訳で、そういう人はそんなに多いはずはないと思うのです。

あるいは、こういうことかも知れない。
自分がテニスをやっているところをビデオに撮って、再生してみる。それによって自分のフォームを客観的に見ることができるけれど、ボールを打つ身体感覚が再現される訳ではない。
楽器を演奏するというのは極めて身体的な行為だ。日常的に演奏をしているミュージシャンは、音楽を「聴く行為」というよりは、演奏する「身体的行為」としてとらえているので、テニスのビデオが身体感覚を再現しないように、音楽の身体感覚を再現しないオーディオに入れ込むことは少ない。

まあでも、ミュージシャンでオーディオに凝る人だっている訳だ。そういう人のタイプがもう一つあった。

う〜ん。でもこう書いちゃうと、ミュージシャンに限らずオーディオマニア全員が、何かしら「それはそうなんだけど…」、かも知れないなあ。

鉛と砂のスピーカー台を使い始めてから、CDの音はあるレベルに達したようだ。きくのが楽しくて仕方がない。音量もついつい大きくなりがち。こういうダイナミック型のスピーカーは、ある程度の音量を出さないと始まらないところがあって、なんらかの防音対策を施していない部屋で使うのは厳しいのかも知れない。我家の場合、今は少し条件がよいので大丈夫だけど、この状態がいつまでも続く訳ではないし、何か考えないと。まあ、そういうのは少し我慢して、適度なところで楽しむのが大人というものなのだろうけど。


9月に入って最初の週末は、天気は今ひとつだけど、とても涼しかった。21年越しの最終話を迎えた「北の国から」と、オーディオを楽しんで過ごす。

「StudioK'sで音と戯れる会」で希望者に貸し出してくれたケーブル。左がAETのスピーカーケーブルGAIA。右はStraight WireのCrescendo RCA。

僕はCDプレーヤーとアンプの間に同じクレッシェンドのバランスケーブルを使っているので、このRCAケーブルときき比べてみた。
結果としては「ほとんどかわらない」というところ。わざわざバランスケーブルを買った意味がなかった?
普段使っているMIT MH750ショットガンとAET GAIA。MITの方が倍くらいの太さだ。

こちらはかなり音が違う。GAIAの音も若々しくてきれいだけど、僕のシステムではMITの方が落ち着きがいいようだ。

貸し出しは3種類が同時進行していて、回覧方式で会員の間をまわっている。この後AETの電源ケーブルと、ソニーのスーパー・ツイーターがきける予定。楽しみだ。

「北の国から」では、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」がいい感じで使われていた。音楽はそれ単体できいてももちろんいいんだけど、映像と上手くマッチすると、特別なインパクトを与えてくれるときがある。「視覚が絡むとイメージが限定されてしまう」と言って嫌う人もいるけど、僕はそういうのもけっこう好きだ。出張帰りの飛行機の中、エリック・クラプトンの tears in heaven をライヴ・ビデオで見て、思わず帰りがけにLDプレーヤーを買ってしまったこともある。
だけど、繰り返しきくならやっぱり映像なしの音楽だな。「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、クラシックできいてもいいけど、このCDの演奏もなかなかいいです。オーディオ評論もやっている小林貢さんのプロデュースで、録音もいい。(Light & Shade/小山太郎トリオ WOODY CREEK CD-1003)


昨日、というのは2002年の9月16日だけど、「StudioK'sで音と戯れる会」の集まりに参加した。今回はまず参加者の方が持ってきたカートリッジや、前回きけなかったライラのヘリコン等のききくらべ。ヘリコンはとても美しい音。細かい音もよくひろう現代的なカートリッジだ。
前回と今回できいたカートリッジは、フェーズテックP0、シェルター901、LINNトロイカ、オルトフォンMC30スーパー、ベンツマイクロL2、ZYXクライオ、ダイナベクターXV1、オーディオテクニカAT33PTG、デンオンDL103R、オルトフォンSPU(型式不明)、ライラ ヘリコンの11種類。
僕はZYXを常用しているので、他にもう1本ということであれば、CDみたいにはっきりした音が特徴的なフェーズテックでフュージョンとロックをきくか、MC30スーパーでなまめかしい弦をきくか、どちらかを選ぶと思う。
もし今ZYXを持っていなくて、しかもZYXは選べないとしたら、ダイナベクターかライラかなあ。
ちなみにこれらの中でZYXに対する僕の印象は、「キレがよく、表情が豊かで、情報量が多い。結果として、例えばリズムの粘りをきちんと表現する」という感じです。

もう一つはパーペチュアルテクノロジーのDAC「P-3A」を、山本さんの持っている通常版と、Shuksさんの持っている公式改造版できき比べる、11人も集まってこんなことをしている事例は世界中探しても他には無いだろうという、とってもコアな企画。でもこれが面白くって、とてもためになる。コンピュータ・システムもそうだけど、「神は細部に宿り、全体にはめったに宿らない」のだ。(…?)

さて、今週末はインターナショナル・オーディオ・ショーです。僕は金曜日、会社を休んで見に行き、土曜日は子供の運動会、日曜日にまた見に行く予定。金曜日はパット・メセニーのコンサートにも行く。それまでの間にステレオサウンドとオーディオベーシックの最新号にひととおり目を通して、パット・メセニーの SPEAKING OF NOW を聴き直しておかなければ。さらに今日、試聴用のソニーのスーパー・ツイーターとAETの電源ケーブルも届いた。「海辺のカフカ」はまだ下巻に入ったところだ。あー忙しい。(そしてうれしい)

9月18日、「海辺のカフカ」を読み終えた。

これはベートーベン「大公トリオ」のLP。ホシノくんが気に入った百万ドル・トリオのものではなくて、大島さんの好きなスーク・トリオの演奏。

ホシノくんはいい奴だなあ。村上作品には珍しい、がらっぱちなキャラクターがすごくいい。脇役だけど、一方の主人公と言えるくらいの大活躍だし。物語が進むにつれて、いつもの村上主人公的なところが少しだけ現れてくるのも面白い。

そういえば今回はその「村上主人公の特徴」を、何人かの登場人物で分担している感じだ。料理はナカタさんだしね。
ソニーのスーパー・ツイーター SS-TW100ED のセッティング状態。
うーむ。これではまるで、できそこないのモビルスーツだな。

ネットワークを通すので、SPケーブルは4本必要だ。普段使っていないケーブルで繋ぐから、ゆうべ一晩PADのシステム・エンハンサーをかけておいた。

でも僕は、本を読むときは音楽をきかないので、まだほとんど音をきけていません。

昨日(9月20日)、インターナショナル・オーディオ・ショーを見に行った。金曜日なのでひどく混み合うことはなく、気分よく音をきけた。会場には前日夜に機材を持ち込む訳で、それからディスプレイやら音の調整やらと、出展社の人たちはたいへんだろうなあ。

(株)ノアのブースでは、ブルメスタのエレクトロニクスでソナス・ファベールの「クレモナ」を鳴らしていた。これがよかった!
ステレオサウンド最新号で菅野沖彦さんがクレモナのことを、「声や楽器の特質を音触面で実に納得のいく自然さを聴かせてくれるものだ」と書いているけれど、この組合せできいた音はまさにそんな感じだった。
ところでこのメーカー、昔日本に紹介され始めた頃、「ソーナス・ファーベル」って言ってませんでしたっけ?

スキャンテックではアナログ。イメディアRPM-1(ADP)→コニサー4.0 PHONO AMP→同3.1プリ→ストラーダ パワー→オーディオ・フィジック VIRGO3 スピーカーで、心温まる音を出していた。

ノアのブース(左)。SPはクレモナ。

奥の方に見えるのがブルメスタのパワーアンプ 911 Mk3。
スキャンテックのブース(下と右)。
右の一番上はストラーダのプリのようだ。


昨日回った中で特によかったブースは上の2つでした。会場ではStudioK's山本さんや、戯れる会のK野さんにもばったり会った。明日は、昨日行けなかったブースにも行ってみよう。

オーディオショーを5時半頃切り上げて、NHKホールにパット・メセニーのコンサートをききに行く。最初に「今日の公演時間は3時間です」のアナウンスがあった時、「それは長いなー」と思ったりした僕は馬鹿でした。素晴らしい内容で、3時間なんてあっという間だった。
特に目立っていたのが最新作からグループに参加したリチャード・ボナ。この人はひょっとして、ものすごい方なのではないでしょうか。ボーカル、パーカッション、ギター、そして本職のベースも数曲で披露してくれたが(PMGにはスティーブ・ロドビーがいるので、アルバムではベースは弾いていない)、素晴らしい。シーケンサーを使った一人アカペラも涙もの。ソロアルバムも出しているので、今度きいてみよう。
最新作からの曲もよかったけど、圧巻だったのは前作イマジナリー・デイに入っていた THE ROOTS OF COINCIDENCE。「メセニーがドラムンベースをやってる!」と言われたあの凄まじくかっこいい曲を、ライブでやられてはもうたまらない。久々に興奮してしまったコンサートでした。


9月22日、2002年インターナショナルオーディオショーの最終日。今回はまだ菅野沖彦さんの講演を見ていなかったので、一番最後の時間帯に軽い気持ちでエレクトリでの講演を見に行った。
……のだけれど、行ってよかったです。エレクトリのブースって、講演以外は小さく音出ししているだけなので、全然分からなかった。マッキントッシュのコラム型スピーカーがこんなに凄いものだったとは。
XRT30という、このタイプのスピーカーの最新型をきかせてもらったのだけれど、オーディオ装置からオーケストラがこれだけ何の無理もなく鳴るのをきいたのは初めてだ。クラシックだけじゃなく、JAZZだって熱くきかせてくれる。どれだけ大きな音を出しても大丈夫な環境があれば(まあ、それが一番難しいのだけど)、このスピーカーを使わない手はないのではないか、なんて思ってしまうくらい、強烈な体験をさせてもらいました。これを自宅に持ち込んで、きちんと追い込んだら、一体どんな音がするのだろう。

マッキントッシュXRT30。これまでの機種ではコラム(縦にたくさんユニットが付いている部分)はツイーターだけだったが、今回はスコーカー+ツイーターになっている。

コラムは片チャンネルあたり、スコーカーを30個、ツイーターを25個使用。
コラムのとなりのウーハー部と合わせて、片チャンネルを構成する。

そういう構成からは、何か特殊な音がしそうな気がするけど、出てくる音はとても自然。

その他の2002年インターナショナルオーディオショーの様子はこちら




ソニーのスーパー・ツイーターともそろそろお別れ。付属のネットワークはクロスオーバーを20kHz、30kHz、40kHzから選べる。カーブは-12dB/oct 。40kHzでカットしてもユニットからは可聴帯域の音が盛大に出ていたけど、Ti2kとの相性はよかったみたいで、今のところ違和感はない。能率はTi2kの88dBに対して、スーパー・ツイーターが86dBだから、それほどしゃしゃり出ることがなく、音色的なつながりもよかったのかも知れない。ソースによっては、これがある方が格段に楽しめるものもあったので、お別れするのがちょっと寂しい。

「音と戯れる会」の貸し出し第3段、AETの電源ケーブル。明るめの音なのはスピーカーケーブルと共通する傾向。

電源ケーブルを差し替えるには、電源を切らなければならないので(当たり前だけど)、他のケーブルや機器よりききくらべが難しい。電源を切るとそれだけで音が変わってしまうから、パッパっと切り替えて比べる、という訳にはいかない。

涼しかった9月が終わり、暑い10月を迎える。……まるで南半球のようですが、ここは日本。台風もバシバシ直撃してくるようになったし、気候が変わりつつあるような気がする。

今日は10月6日の日曜日、ダイナミックオーディオのマラソン試聴会に出かけた。3階の会場でCDプレーヤーの聴き比べをやっていたので、まずはそれをきいてみる。
wadiaはやっぱり、色彩の濃さという点で他とずいぶん違う。楽器の音っていうのは元々色が濃いものだから、僕はそれを表現できる装置を選んだ。今もwadiaの音をききながらこれを書いているけれど、僕はこの音が好きなんだなあ。

でも、未来永劫そうなのかと聞かれれば、「わかりません」と正直に答えるしかない。マークレビンソンはwadiaに比べ色彩感は少し薄いけれど、レンジの広さは気持ちがいい。全く違う路線という訳ではなく、力点の置き方の違いみたいな感じで、そちらに転ぶことだって十分ありそうだ。「楽器の音っていうのは」と言うのなら、レンジが広いことも本物の楽器の特徴だ。

これらに比べると、日本のエソテリックは方向が違う。新鮮なサラダのようなシャリシャリ感のある、爽やかな音だ。エソテリックというと、見た目からは何となく濃いめの音を想像するけれど、wadiaやレビンソンに比べれば全然さっぱりしたものです。
じゃあこういう音はきけないのかと言えば、そんなことはなくて、これはこれで悪くない。今はそれを家に持ち込もうと思わないだけで、例えば60才になったら、「わしはこれがエエな」とか言っているかも知れない。


その後、7階の「H.A.L.1」へ。オリジナル・ノーチラスをきくのは久しぶりだ。エソテリックのP0sを中心に、CDトランスポート、DAC、クロックの組合せやアップサンプリングの比較試聴という趣向。dCSのElgar、Purcell、992、タイムロードのクロノスっていう定番の豪華絢爛組合せも、もちろん悪かろうはずもない訳だけど、ゴールドムンドのMIMESIS 20 ME がとてもよかったなあ。

壁コンセントをPADの CRYO-L2 に交換。

こういうことをすると、何かこう、マニアになったような気分を味わえます。


音の方はどうなったのかというと、うちの奥さんでも分かるくらいの変化がある。

しかし、「アルジャーノンに花束を」だもんなあ。驚いた。うまくドラマ化できるといいんだけど、心配だなあ。いや、僕が心配しても仕方ないのですが。とりあえず、演技派のカンノさんが出ているから何とかしてくれるに違いない、と思うことにしよう。
このドラマにジェニファー・ウォーンズの歌う「SONG OF BERNADETTE」が使われている。録音の良さでオーディオ界では有名な「THE HUNTER」の前のアルバム、レナード・コーエンの歌を集めた「Famous Blue Raincoat」に入っている、僕の大好きな曲だ。これを持ってくるなんて、きっとドラマの関係者にオーディオ・マニアがいるに違いない。……というのは冗談だけど、これで BERNADETTE がヒットでもして、ジェニファー・ウォーンズが日本でメジャーになれば、今後もアルバムが廃盤になったりする心配がなくていいなあ。


朝から大貫妙子をきいて幸せにひたる。(ははは)
ここ1年くらいいろいろやってきて、CDの音は自分なりに満足のいく状態になってきた。というか、1年でここまで来るとは思っていなかった、というのが正直なところだ。特にこの半年、StudioK'sで山本師匠の音をきかせてもらっていることは、僕のオーディオに大きな影響を与えている。もちろん、まだまだ課題はあるけれど、それはそれとして認識しつつ、音楽を楽しんで、時々すごく驚かされたりしながらきくことができる状態だ。Ti2kをこれだけの音で鳴らしているのは、僕だけなんじゃないか、なんて言ってみたくなるくらいです。



コンサート・チケットの販売サイトは本当に便利だ。居ながらにしてチケットが手に入るなんて、夢のような話だ。

でも昔、発売日の朝のプレイガイドに並んで手に入れたような、いい席は手に入らない。そういうのはさすがに、もう少し苦労しないと手に入らないんだろうな。

という訳で、苦労する代わりに双眼鏡を手に入れてみる。これがあれば後ろの方の席でも、もっと楽しめるかも。

ちなみにこれもネットで購入。僕は双眼鏡のことなんて何も知らず、どんな製品を買えばいいのか見当もつかないので、まずそこから、サイトを探して調べた。コンサートで使うならどの程度の倍率のものがいいとか、他にスペックで気を付けるといいのはどの数値だとか、親切な説明を載せてくれているサイトがあって、とても助かった。

そうして手に入れたのがこれ、ペンタックスのタンクローQ。手のひらに乗るくらいの大きさで、かわいらしい。これなら、コンサートに持っていっても邪魔にならずに使えそうだ。
オーディオもこれくらい簡単に、どの装置を手に入れればいいのかが分かると、よいのですけれどねえ。


2002年11月2日は「戯れる会」の例会に参加。5月に会が始まって以来、月1回の例会に僕は皆勤賞で、それはどうやら僕だけのようだ。自分だけがすごい暇人のようで(まあ、暇なんですけどね)、「これはいかん」と思っていたら、けっこう出席率が高いのに住所が「静岡県下田市」という方を発見し、妙に安心する。もしかすると、片道3時間くらいかかるのではないだろうか。まあ、それだけ得るものが多い会なのですよ。楽しいし。下田のOさん、これからも一緒に参加しましょう♪

今回はshuksさんと2人でコーヒー豆を持ち込んで、ブラインドで飲み比べに挑戦。豆は全部深煎りだったけれど、お互いに自分の豆で淹れたコーヒーはすぐ分かった。shuksさんの豆はなかなか手に入らない「今年の新豆」だそうだ。凝り性だなあ。
…なんて書いているといったい何の集まりだか分からなくなりそうだけど、オーディオのこともちゃんとやっております。



スーパー・ツイーターを導入。  2002.11.15



パイオニアのリボン・ツイーター PT-R9 が箱入りでやってきた。ハイパス・フィルターとアッテネーターが付いているから、繋ぐだけでよくてラクなんだけど、思ったより箱が大きくて、すっかり頭でっかちになってしまった。そのうち箱から出すかも知れないけど、せっかくだからしばらくはこれで使ってみよう。
PT-R9 の能率は97.5dB。カットオフは12KHz(-12dB/oct)と低めなので、音量レベルはかなり絞ることになる。となると元々レベルの低い超高域成分はほとんど無くなってしまう、ような気がするので、アッテネーターを使わなくていいくらいに高い周波数でカットしたいなあ。2日間試してみたところでは、正相で接続した方がいいみたいだった。

デュリュフレのレクイエム、フィリップ・レッジャー盤。声楽とオルガン、それとチェロだけによる演奏。

StudioK's山本さんにきかせていただいて、とても気に入ったので、ここ数ヶ月の間CDを探していた。思いがけずLPが手に入ったのはラッキーだ。このLPをもっといい感じで鳴らせるように、アナログを見直したくなってしまう。

久しぶりに荻窪のミニヨンに足を運んだ。ここでは、タンノイのGRFでアナログがきける。
トーレンスのプレーヤー、SMEのアーム、カートリッジはオルトフォンSPU、LUXのアンプというラインナップ。弦の音がきれいで、リラックスして音楽を楽しめる。

コーヒーは香りが良くて、特にビターの方がおすすめ。アイス・ティーもとてもおいしいです。


こういうお店は今どき珍しいけれど、中央線沿線のこの付近には、阿佐ヶ谷にヴィオロンがあって、吉祥寺にもバロックがある。いいなあ。

スーパー・ツイーターを使い始めて2週間が経つ。当初は少し音がざらつく感じがあったのだけれど、それは治まって、だいぶいい感じになってきた。スーパー・ツイーターとしては少し低い周波数から使っているので、空気感などの雰囲気だけでなく、音色にも影響しているが、音に濃さを与える方向なので僕の好みに合っている。
そのうち箱から出すかも知れないので、六角レンチを買って試してみたら、箱のふたやユニットを固定しているボルトがどれもゆるくなっていた。増し締めをしたから、明日はもっといい音がきけるかも。


そして木の箱がもう一つ。   2002.12.01



コニサー2.0 フォノ・イコライザーはずいぶん前に製造を終えている機種だし、手作りだから製造台数も少ないので、手に入れるのは難しいと思っていたけれど、幸運に恵まれた。音は何というか、すごく真剣に音楽をきかせてくれるという感じで、軽く聞き流しては申し訳ない気がする。電源を入れてから数ヶ月のレンジで音が変化していくこともあるらしいから、それも楽しみだ。

今日、12月7日は大場商事の試聴会に出かけた。ゲストは傅さんで、いろいろと楽しいお話が聞けました。
JRDGの新しいパワーアンプ Model 302 は、見た目は以前のModel 8や9と似ているが中身は全くの別物で、かなりの部分デジタル化されているはずだけど、詳しいことはまだよくわかっていないとのこと。発熱はほとんどなくて、2時間鳴らした後で実際に触ってみても、人肌程度の温度だった。
使用されたスピーカーはアヴァロンのダイアモンド。以前同じ会場でこのスピーカーをきいたときは、かなりいい音で鳴っていたのに、今日の音はレンジが狭く、荒れていて、不思議なくらいひどかった。直前に何かの事情でCDPやDACに変更があったらしいし、まあ事故のようなものだったのだろう。試聴会というのも難しいものです。

大場商事の近くで Peet's Coffee に寄ってコーヒーを楽しむ。Peet's のショップは北米以外では日本にしかないそう。10年くらい前は、「東京の喫茶店で飲むコーヒーは、たいていにおいて世界中のどこで飲むコーヒーよりもおいしい」と言われていたけれど、どうも状況は変化したようだ。状況は常に変化するのです。バナナ・ブレッドもとてもおいしくて、幸せな気分。

コニサーのフォノイコがぞくぞくするような音楽をきかせてくれるので、このところLPをきくことが増えた。クラシックももちろんいいんだけど、アール・クルーのギターも胸に直接響くような演奏だ。

でも、LPの音がよくなるとなぜかCDもよくなるので、LPばかりきくということはなくて、今は7:3くらいの割合でLPが多いというところ。

これはなぜなんだろう。
名手がある程度の期間弾いた楽器は、分子の並ぶ方向性が揃っていい音になるそうだけど(これは本当)、LPの音がよくなるとスピーカーの分子が揃って、CDもよくなるのかしら(…たぶん嘘)。

ステレオサウンド誌で次号から村上春樹の連載がスタートするそう。それは楽しみですね。発行部数が桁違いになったりして。

12月18日、オーチャードホールに大貫妙子をききにいく。

バックはピアノ、弦楽四重奏、ウッドベース。こういう形式のコンサートは87年のサントリーホールが最初で、同じコンセプトのスタジオ録音がアルバム「pure acoustic」に収められている。それから10年間、毎年の年末にアコースティック・コンサートを行ったあと、しばらくお休みをしていて、今回は5年ぶりの復活。気が変わらなければ来年以降も続けるそうです。

大貫妙子のように歌うことは、大貫妙子本人にとっても簡単ではないようで、ペースをつかむまでにコンサートの半分くらいを必要とした。そこから最後までは悠然とクルージングし、余裕を残しながら終わったというところだろうか。

いったい、どうやったらあんな風に歌えるのだろう。なんでもないようでいて、誰にも真似できないっていうのが、一番素敵なのかも知れない。

おいしいコーヒーを飲みながら音楽をきいて、ホームページの更新なんかやっていると、お酒を飲んでいる暇がない。普段飲んでいないと、急には飲む気にならないので、昨日の忘年会もウーロン茶で過ごした。来週もいくつか入っているけど、全部ノンアルコールで通してやろうっと。
そうこうするうちにコーヒーの腕があがって、とてもおいしいのを淹れられるようになった。オーディオよりもこっちの方がレベル高いかも(笑)。ということで、(にわか)コーヒー師匠、任三郎くんのコーヒー講座です。

coffee
【豆】
僕が気に入っているのは、さかもとこーひーさんの豆です。スペシャルティコーヒーという、国連が企画・管理している豆を輸入し、自家焙煎しているそうです。ホームページやメールでの情報もためになるし、注文もネットでできてラク。知人との話のネタとしても、コーヒーの話に「国連」を出すだけでうける、というメリットもあります。一番安いので、500gで900円(2002年12月現在)という豆もあって、これで十分においしいし、高いのもそれぞれおいしいです。

また、サイトのエスプレッソ・ラブには、いろいろなコーヒー豆屋さんの情報が載っているので、そこで探すのも楽しいと思います。

豆の保存は、ドトールで売っている缶(写真の赤いの)がちょうど250gにぴったりなので便利に使っています。でも、さかもとこーひーとかの袋は、ジッパーや空気交換穴のようなものが付いているので、もしかしたら袋のままの方がよいのかも。この辺はよくわかっておりません(笑)。


【グラインダー】
豆は最初から挽いてあるのを買っちゃダメで、淹れる直前に自分で挽きます。これは大事。ちなみに淹れるは「いれる」、挽くは「ひく」と読みます。いや、余計なことを。僕はなぜか「淹れる」という漢字にとても違和感がありましたが、ようやく慣れてきました。

なので、豆を挽く機械が必要です。手でグルグルして挽くのもありますが、思った以上に疲れるからお勧めではありません。電動を買いましょう。高いのは何万円もしますが、僕が使っているのはBRIELのグラインダーで、買値で6千円もしませんでした。安いからあんまり良くないのかしらん、でも特に不満はないなと思っていたら、「エスプレッソの扉」バリスタさんの調査によると、意外と性能はよいようです。

挽くときの細かさは、まあたいていは中挽き(BRIELなら目盛りの5くらい)でよくて、気が向いたら淹れ方や豆に合わせてのんびり調整していくといいと思います。普通のジョウゴ型のドリップなら細かい方に、カフェプレスとかなら粗い方に。


【フィルターとか】
フィルターは紙が一般的ですが、紙ではなくてゴールドフィルターがお勧めです。味が違うから。写真の金色がそれです。スイスのエルフォ社というところの製品しか知らなくて、1個4〜5千円と高いですが、これがないと「特別な味」にならないので、仕方がない。楽天市場とかで手に入ります。
ただし、あんまりよくない豆だと、かえって悪いところを目立たせてしまう傾向はあります。なんか、怪しげなオーディオグッズみたいだなあ(笑)。

一人分を淹れるときは、ワンカップ用のゴールドフィルターというのもあって、これがまた便利でおいしいです。僕はさかもとこーひーさんで買いました。

ポットはガラス製ならなんでも。ステンレスとかの金属系はやめた方がいいです。

【淹れ方】
1.道具はお湯で暖めておく。

2.挽いた豆をゴールドフィルターに入れて、表面を少し均す。僕は比較的濃いめが好みですが、ゴールドフィルターだと、できあがり250mlに対して、豆10gで十分な濃さに感じます。紙フィルターだともっと豆が必要。この辺は豆や好みによりますから、適当に。

3.沸騰させてからちょっとだけおいたお湯を注ぐ。豆がふくらんできたら注ぐのをやめて、ふくらみ切るまで待つ。(ほんの数秒)
ここで時間をおいて蒸らしたりとかは、しません。ここで蒸らすのがコツというのが僕の記憶に刷り込まれていたのですが、しないんです。しない方がよいというのは、COZZOという喫茶店で発見しました。いや、どうしてもしたい人は、していいんですけど。

4.豆がふくらみ切ったら、フィルターに一杯になるまでお湯を注ぐ。あとはこのお湯を減らさないように、減った分だけ注いでいきます。

5.決めた分量のコーヒーが落ちたら、ポットをはずして、フィルターに残ったコーヒーは捨てる。最後の方のコーヒーはおいしくないので、いさぎよく捨てましょう。この辺は紅茶と逆ですね。

6.カップに注いで飲む。信じられないかも知れませんが、少なくともストレートで飲むときは、金属のスプーンでかき混ぜない方がおいしいです。一方、ポットに落ちたコーヒーは濃さが均一ではないので、軽く混ぜる必要があります。まあ、ちょっと振れば大丈夫。


LPの音がシャープでダイナミックなので、これに慣れてくるとCDが甘くきこえ、不満になってくる。
そこで今日はセッティングの調整。一時、音が金属的になった時期にアンプとラックの間に入れた黒檀の板を取り、直置きにする。その後の諸々の変化で、今の状態ではこの方がよいようだ。
さらにCDプレーヤーもラックに直置きしてみるが、これはだめ。音像に高さがなくなって、まるで電圧の下がったテレビ画面みたいだし、音全体のクオリティも低くなる。これは、アンプからはずした板を使うことで解決した。
結果、CDもかなりシャープでダイナミックな方向に振ることができて、満足。


このスピーカーの状態は、戯れる会のI川さんに「トーテムポール」と名付けていただきました!
(喜んでる場合ではない?)

2003年になりました。今年もよろしくお願いします。

ついに2003年。鉄腕アトムは今年の4月7日に天馬博士によって作られるのだけれど、現実の技術はそこまで進みませんでした。でも、無線電話機があんなに小さく安くなって、子供まで持ち歩けるようになったり(=携帯)、高性能なコンピュータと、世界中に繋がったネットワークを誰もが自宅で利用できるようになるなんて、アトムが書かれた50年前には、ロボットよりも想像外なことだったんじゃないかなあ。

僕はコンピュータ関係の仕事をしていて、ここ10年くらいのPCやサーバ系システムの大きな進化に身近に付き合ってきた。一方で、メインフレームのシステムは「レガシイ(遺物)」なんて言われているけど、まだまだサーバでは代替できない役割を持っているし、そこで動くシステムは規模的にも、集約された知的資産としても重要だ。今は、こうした技術や資産を上手に使い分けていくことが大事なんだけど、コンピュータの短い歴史にはそういう時代はなかったので、お手本なしにやらなきゃならない。でも、逆に言えばすごく工夫のしがいがある状況で、こんな面白い時代に居あわせられるのはとてもラッキーだ。

オーディオも今年はSACDやDVDオーディオが本格的にブレークするだろうか。CDやアナログに加えてもう一つの選択肢ができることは大歓迎だ。そうなると2世代前になるアナログはますます危うくなってくるかも知れないから、今のうちにアナログを十分楽しんでおくことも今年のテーマの一つになる。充実した年になってしまいそうだなあ。

新年最初の調整は、スピーカーの頭を軽くしてあげること、にした。

僕は、「電気関係のパーツは、不用意に触るとバクハツする」と思うことにしているので、いきなり電気屋さんでコンデンサーなんて恐くて買えないから、K's山本さんからお借りしてきました。これなら、スタジオでバクハツしなかった実績があるから、安心です。

Ti2kは能率88dB、PT−R9は97.5dBで、コンデンサー1個で繋ぐのはちょっと厳しかろうとは思うけど、試しにやってみた。結果としては、0.47µFではちょっときついけど、0.33µFなら何とかいけるかな、というところ。とにかく見た目が落ち着くので、ご家族の皆さんにも好評で、これは何としても箱無しでいくしかなさそうだ。しばらくこれできいてみて、必要ならまた別の手を考えることにしよう。


昨日、1月4日は今年最初のK's例会。暖房を入れても、広いスタジオでじっと音楽をきくのは寒いです。2月はさらに防寒対策をしっかりとして行こうっと。でも、山本さんだけは薄着で平気なようでした。すごいなあ。寒い方舟でも裸足で全然平気だったという、長岡鉄男さんを思い出しますね。オーディオの達人は寒さに強いのだろうか。北方から来た騎馬民族系の人の方が聴覚が発達しているとか、そういうのがあってもおかしくはないな。

昨日は参加者のShuksさんとM内さんがジャズのオリジナル盤を持ってこられたので、皆できくことができました。貧乏な僕はオリジナル盤なんてもちろん初めてききます。

アナログはコピーするたびに音が劣化していくので、スタンパーがマスターテープからどれだけ近い世代にあるかとか、テープに記録された磁気信号自体が経年変化で劣化するから、カッティングまでのテープの劣化がどの程度だとか、そういうことで音が変わってくるのはわかっていた。このため制作した国でプレスされた盤が一番音がいいというのは、アナログの全盛期に何度も経験したことではある。だから、オリジナル盤が良いであろうことは、予想はしていた訳だけど…。

しかし、ここまで凄いとは!

別に、50年代の録音が最近の録音のようにきこえる訳でもないのに、何故か「新しさ」を感じる音、この気持ちよさは一体何なんでしょう。機器や使いこなしでいい音を出すのが「料理」だとすると、オリジナル盤のよさは「素材の圧倒的な新鮮さ」で、料理でカバーできる性格のものではないと感じる。
しかも、そのクオリティでのオリジナル盤LPから他へのコピーは不可能、さらにLP自体はあまり劣化しない…。LPっていうのは、本当に奇跡的だ。オリジナル盤のあの凄まじい値段も、納得してしまいました。


音楽をきくのが楽しくて、HPを更新する時間も惜しんでCDやLPをきいております。これも、1月4日の例会での、プッチーニのライブ盤のおかげ。スタジオできいた歌手たちの実在感は本当に凄くて、例えはすごく悪いが、かつて金縛りにあった夜に、枕元に感じた霊(?)の実在感を思い出した。目には見えないけど、確かにそこにいるのだ。サウンドステージというのは、ここまで出せるものだったのか。
これに刺激を受けて、スピーカーの水平を取り直したり、置き台への接地に使っている木のブロックを替えてみたり、自分の装置をいろいろ調整しているうちに、ツボにはまったようだ。ベーシー菅原氏のおっしゃる、「まぐれ」かも知れない。まあ、サウンドステージという点ではそんなに進歩はないんだけど、全体の音のバランス、クオリティは皮が一つむけたように向上した。

1月19日(日)、戯れる会の川さん宅に伺う。

B&W SS25 + ムラタES103 アンプはGOLDMUND MIMESIS 27 +MIMESIS 8.5

川さんのCDの音は、速くて精緻だ。傅さんがよく「ギターを弾く爪が立っている」という言い方をするけど、それがよくわかった。音像は一切膨らむことなく、ピンポイントで定位する。唇の形が見えるようだ。

これに対し、アナログは暖かくて、コクがあって、おいしいところが一杯詰まった音。表現が甘くなるということではなく、基本的なところは押さえた上で、いわゆるオーディオ的な演出は控えめにして、音楽を気持ちよくきけるような要素を引き出している。

CDプレーヤーはwadia16 NOTTINGHAM ANALOG STUDIO 「SPACEDECK」
ノッティンガム独特の指をかけるところのないアーム。

モーターの振動を最小化するため、定速回転に必要なトルクしか持たせない。だからターンテーブルは手で起動する。

マニアックだ。

カートリッジはライラのヘリコン。


2003年1月25日、今日はタイムロードの試聴会でした。
今年は2部構成で、第1部は昨年同様菅野沖彦氏、柳沢功力氏の対談。昨年は少し神経質なところがあった巨大なガウディも、調整が進んだのだろう。今年はサチることもなく、音に厚みが出ていい感じだった。
第2部はCHORDのジョン・フランクス社長による新製品「コーラルシリーズ」の紹介。今とてもよく売れているDAC64というDAコンバーターと同じスタイルで、フォノ・イコライザー、プリアンプ、パワーアンプが開発され、4台をセッティングする専用ラックも作られている。今後、2台用、3台用のラックもできるそうです。
1台の大きさはH60×W335×D170と小さめで、おしゃれなデザインだけど、そういうことはエクスキューズにしていなくて、素晴らしい音だ。「20年もノイズと戦ってきているから、もうノイズなんて恐くない。除去する技術がちゃんとある」とか、「25年前のスイッチング電源とは全くの別物」とか言っていたけど、その通りの、美しくてパワフルな音だった。

どの機器も内部が見える円いガラス窓があって、青いLEDで装飾されている。これは音のためというより、デザインとしてそのようにしたかったということのようだ。窓を開けると不要輻射が増えるから、戦闘機のステルスと同じ技術を使って、RFを吸収するアンテナのような素子を窓に貼ってある。そこで吸収したエネルギーは悪さをしないように、LEDで昇華しているのだそうです。なんか凄いですね。

ジェットエンジン?

また何か買ったのか、と思われた方もいらっしゃるかも知れませんが、いえいえ。今年はもう、機材は一切、なあんにも買いません!
と言いつつ、正月早々ケーブル買ったりしてましたが、まあそれはともかく。

I川さんからお借りしたムラタES103A。見た目としてはこれが一番しっくりくるかも。機械的に低い音を遮断しているせいか、とてもシャープにカットできていて、人の声のような帯域はほとんど聞き取れない。


2月6日、ひとさまに音をきいていただく。

うちの奥さん以外の人にきいてもらうのは初めてなので、とても緊張しました。しかも相手はK’s山本さんと、異様に耳のよい河野さんだもんなあ

 河野さん 山本さん

河野さんからいただいた感想。


任三郎さん


本日はありがとうございました、&、ごちそうさまでした。

よそさまのご自宅のシステムを聴かせて頂くのが、今回初めてでしたが
楽しまさせて頂きました。

少しですが感想を書かせて頂きます。

まずCDですが、かなりまとまりの良い音のように思いました。
特にギター、ピアノは響きが良く、聴いていて気持ち良くなりました。
わたしが持参した、チェン・ミンの二胡も横方向、高さ方向への広がりや
高域の伸びも好ましく思いました。
低音がやや下がり切っていない感もありましたが、JEFFの電源ケーブルを
交換したことで、かなり改善されていました。

アナログは、さすがに良かったです。
コニサー導入がかなり効いていると思いました。
音の立ち上がりスピードや響きの良さ、空間の広がり、定位も申し分ないように
思います。

今回、任三郎さんの音を聴かせて頂き、自分もがんばらなければと再度気合を
入れ直す、いい刺激になりました。
本当にありがとうござました。

河野 誠司



山本さんからいただいた感想。


音は、なかなか軽快、明朗で好印象でした。
全体的には中高域がちょっと出っ張っているのですが、
低域もけっこう出ているので、
このシーソー的バランスをとってやれば、
もっとききやすい音になると思います。

1)部屋の問題、特に天井に近いあたり
2)電源ケーブルなどによるチューニング

これらで、ある程度解決できると思います。




とりあえず「全然だめ」ということではないようなので、ひと安心。まあそう思っても、そのまんま書く人もいないだろうけど。
今週は一週間休暇を取っていて、社外の人にそう言うと、「よくこんな時期に休めますね」と言われてしまう。いえいえ僕たちは、年度末処理の関係で3月〜4月が忙しいのです。
なので、月曜は山本さんのところに行ったからそれは除いて、土曜・日曜・火曜・水曜と4日間、この日のために準備した。かける曲、順番、時間、ボリュームをリストして、リハーサルする。どの曲をきいてもらうかだけでも、言ってみればこれまできいてきた600枚のCD、300枚のLPから選ぶ訳だから、けっこう選びがいがある。曲を変更したり、順番を変えたり試行錯誤して、最終決定したのは前日の夜だった。

まあしかし、何しろ初めてなので、ちょっとやり過ぎだったかも。アクシデントがあって開始が1時間ほど遅れたけど、予定のプログラムは全部きいてもらってしまった。



LPの収納は、中学生の頃、隣に住んでいたおしゃれなおじさんからもらったラックをいまだに使っていた。この方はヤマハのプリメインCA-1000できいていて、当時の僕には高嶺の花だったから、すごくうらやましかった。
そのラックもさすがに古くなったし、数も入らないし、どうしようかなあと思っていたら、タワーレコードでLP用ラックを売り出したので、さっそく買ってみました。まあ、LPサイズのカラーボックスなんだけど、そんなに悪くはないです。2つに買い増して、押入れにしまっておいたLPのうち、ききそうなのを出してきました。


そんなわけで、今日は久しぶりにこんなLPをきいた。

左のLPの帯には「唄と演奏、プロデュース バッド・カンパニー」なんて書いてあって、ちょっと笑える。
山本さんからも言われたし、これまで手控えていた部屋の問題にも手をつけようかなあと手始めに手をたたいてみると、何とフラッター・エコーが。
んなもの、今頃気づくなよという感じですが、見つけてしまったからには手を打たないと。

天井には手が届かないので、ものほし竿に服をぶら下げて、エコーが消える場所を特定。
問題はここに何を使うかだ。何かいい手はないかと家の中を探したけれど、手頃なものが見あたらない。

で、とりあえず、白くまくんに浮いてもらうことにした。これなら手間もかからないし、子供たちも喜んでいる。だけど、当然ながら奥さんには不評だ。まあそのうち、何か代わりのものを考えましょう。

なんて、「手」がつく言葉をたくさん使って文を書いてみたけど、読んでみると別に面白くないな。こういうことはもうやめよう(笑)。

スーパー・ツイーターのコンデンサーは、いろいろ試した結果、ASCの0.22µFに落ち着いた。

きゃ、ゲテもの。

なんて毛嫌いしないで、きいてみると面白いです。
まあ、僕も久しぶりにきいたのですが。

カメルーンのオペラと、森のコンサート。
どちらも音楽ではなくて、自然の音を録音したもの。

森に降る雨で部屋の中が満たされるなんて感覚も、
たまには悪くない。

こういうソフトがテストに適しているのかどうかわからないけど、今の装置の状態で表現できるサウンドステージを、分かりやすく教えてくれる気がする。僕の装置は、高さ、そして左右のスピーカーの外側も含めた横の広がりは、それなりに表現できていると思う。
でも目指しているのは、もっとバーンと奥行きがあって、音像に実物並みのエネルギー感があって、現実よりもリアルな気配がある、という表現なので、まだまだこれからなのです。

サーロジックのサブウーハーD.Cube2。

K's戯れる会の貸し出しで、自宅試聴中。
精悍な顔ですね。

任三郎  「あんな小さなスピーカーなのに、超低域が出るのも不思議ですよねえ」
く○゙さん 
「ふっふっふ。いやそんなことはない。小さくても、低い音は出ているんです。ただレベルが低いだけ。だから大きなパワーを入れて、上の方をシャープにカットすると、ああいう風になる訳です」

く○゙さんはカメラメーカーの技術者の方で、常に明快な言葉で説明してくださいます。
サーロジックのD.Cube2サブウーハーは、入力信号をデジタルに変換して、DSPを使って100dB/octのすっごいカーブで低い音だけ残し、アナログに戻して1KWのアンプで25cmのユニットをドライブしている。

2月26日、ギターの村治佳織とフォーグラー・カルテットのコンサートで、銀座の王子ホールへ。

ギターとバイオリンのデュオでやった、ピアソラの「カフェ1930」がすごくよくて、涙が出た。

王子ホールは315席の小ホールなので、こういう音楽をきくには最高です。

サーロジックD.Cube2の調整は、

(1)リスニング位置から見た、メインスピーカーとの距離をD.Cube2に登録。
(2)インプットレベルを調整。
(3)カットオフ周波数と、アウトプットレベルを調整。

の3段階で行う。

と言っても、(1)はDSPが行う位相補正に、位置パラメータとして実際の距離を与えるだけ、(2)はプリアウトへのレベル合わせだから、実質的な調整は(3)だけだ。

取扱説明書に調整用の推奨CDと調整方法が書いてあって、思ったより簡単にできた。
1週間いろいろと試して「まあこの辺がベストかな」と結論づけた周波数とレベルが、初日の調整で設定した値と同じだったのは、この機器の調整しやすさによるものだと思う。

僕の場合は試聴だからこの位だけど、購入して使うなら、もっといろいろと調整して楽しめるところはある。
例えばこんなところ。

(1)D.Cube2を部屋のどの辺に置くか。壁近くが推奨されているが、部屋の角に置くかどうかということでも、大きく変わるようだ。
(2)置き方。今回は標準の足で床に置いたけど、台やボードをかませるとどうなるか。
(3)DSPでの位置補正は10cm単位だから、D.Cube2を置く位置を細かく変えることで、さらに調整できる。
(4)インプットレベルを変えることでの変化もあるかも知れない。


おおお疲れたあ。休日に自宅で仕事をするなんて久しぶりだ。
でもそのおかげで、疲れた頭である種の音楽をきくと、すごく気持ちいいということを発見した。

昨日人事異動の発表があって、また忙しくなりそうなのだけど、疲れるのも楽しみになりそう。
忙しくなっても給料変わらないのは困りものだが。
まあ、これまでラクし過ぎだったのが部長にもバレバレで、「そろそろバカンスは終わり」ってことで忙しくされちゃうんだから、仕方ないけどね。はっはっは。

若い頃は集中力に限界なんてなかったけど、僕ももうトシなので、そうはいかない。でも、人の世のいろんな工夫は、それだからこそ存在するのだということがわかってきて、周りからは「成長した」と言われる訳です。ありがたいことです。以前の僕はバカだったなあ。きっと今もそうなんだろうけど。



おおお疲れたあ。今日もまじめに仕事しちゃった。(こらこら)
会社の、僕の目の前の席に、信じられないくらい頭のいい女性の方(僕よりちょっと年上)が座っている。その方が、「任三郎さんが残業して必死に仕事してるなんて、久しぶりですよねー。4月からのうちの課の状況を現してるみたいですね。あはは、でもおかしい」とウケてくれました。
「これ、笑っちゃいけないですよね。でもおかしい。あはは。あ、とまらない」
そうだよなあ。苦労かけっぱなしだもんなあ。こんなことで楽しんでいただるなんて、僕もうれしいです。それならいくらでも、必死なところを見せましょう。

今日は詳しく書いている時間がないが、この方の頭脳は特別である。しかし一般的にも、僕は思うのだが、男の頭脳の処理能力なんて、女性の10分の1くらいしかないのではないだろうか。これも今日は書かないけど、僕としては具体的に確信があるのだ(笑)。だから、本当は女性が仕事をした方が実効は高いのだが、仕事なんて面倒だから、頭のいい女性達にだまされて、主として男が仕事をする世の中になっている。「働きバチ」ということですね。しかも表向きは、女性としてはそれは不本意なのよ、ということで。
貴男も、そんな気がしません?

大阪のON田さんありがとうございました。

ON田さん、では匿名にならないか。
HPにお名前書かれているから、その必要もないですね。

御田さんからいただいたオーリキャップのコンデンサー。
米国から取り寄せたものだそうです。

とても透明感のある音です。
3月16日、河野さんのお宅に伺う。
JRDGのアンプに、オーディオ・フィジックのスピーカー。

オーディオ・フィジックはインターナショナル・オーディオ・ショーでもいい音をきかせてくれていたけど、ここでもクリアで暖かい音がきけました。

タイコの皮の鳴る音なんて、もうほれぼれしてしまいます。

サブウーハーというと、一般的には違和感が出ないように調整するのがたいへんという印象だけど、サーロジックは取扱説明書の手順に従うだけで、30分もあれば自然に繋がるように調整できてしまう。
効果も大きくて、例えばチェンバロの音が優しく、つややかになったりする。サブウーハーで出しているのよりずっと上の帯域の音に変化を与えるのが不思議だ。

すごくよくできたサブウーハーだと思う。でも今回、僕は導入を見送った。
理由は、僕の装置でサーロジックによって効果の出るところは、もともとだいたい満足しているところで、逆に僕が「こうあって欲しいなあ」と思っているところには、あまり効果がないということが分かったからだ。
これは装置の状況で変わってくるものだから、もしかしたらいずれ導入するということはあるかも知れないけど、今は他のことを優先した方がいいみたい。
こういうことが分かったのも、自宅でゆっくり試聴する機会が持てたおかげです。




ステレオサウンド誌に、和田博巳さんという方が「ニアフィールドリスニングの快楽」という連載をされている。オーディオや音楽に対するスタンスにとても共感するところがあって、毎回楽しみに読んでいた。

でもまさか、その和田さんが、「あの方」だったとは。

「新譜ジャーナル」は、音楽関係の記事の他、楽譜がたくさん載っている雑誌だった。1975年1月号には、吉田たくろうのアルバム「今はまだ人生を語らず」の全曲集が載っていて、僕はそれを目当てに買ったのだと思う。
その本の中ほどに、「お好みオーディオルポ」という訪問記事があった。

記事は西武池袋線「稲荷山公園」駅近辺に住む、はちみつぱいのベーシスト、和田博巳さんを訪ねたもの。以前、米軍基地があったそのあたりにはアメリカ風の借家がたくさん残っていて、地元では「アメリカ村」と呼ばれている。和田さんはそこに部屋を借り、広い洋間にヤマハのアンプ、デンオンのプレーヤー、JBLの自作2ウェイを置いて、音楽を楽しんでいる。ベーシストになる前は、高円寺でジャズ屋をやっていたそうだ。

たった1ページの記事なんだけど、 僕はこの本を大切にしていて、今でも持っている。何て言うか、中学生だった僕は、和田さんの生き方に憧れてしまったのだ。紆余曲折あって、JBLの自作はやらなかったし、和田さんのように自由な生き方はしてないけど。
この記事を読んでから何年かして、アメリカ村とはどんなところなのだろうと、友人を誘って稲荷山公園駅まで散策に行ったこともあった。

ステレオサウンドの和田さんと新譜ジャーナルの和田さんが同じ人だとは、なかなか気がつかなかった。札幌でお店をやっていらっしゃるらしいから、遊びに行ってみたいなあ。

2003年の4月になりました。僕が住んでいるところは今年は桜が遅く、今日はもう6日だけど、まだ二分咲きくらい。これからが楽しみです。

古い本の話が続くけど、これは初めて買ったステレオサウンド誌、1975年秋の36号。捨ててしまっていたので、ヤフーのオークションで最近手に入れ直した。

この頃、JBLのスタジオモニターはまだ4341。KEFのModel104、スペンドールBC-IIなどもこの時代のモデルだ。国産ではヤマハNS-1000M、リニアフェイズのテクニクスSB-7000が有名ですね。

NS-1000Mは飴色に着色されたような音で、あまり欲しいと思わなかったけど(たぶん初期のモデルだ)、SB-7000の、大波のように迫ってくる音は魅力的だった。どちらも中学生の僕に買えるモノでは無かったですが。

2月に山本さん、河野さんが来てくれた後、いくつかの調整をしていて、今はちょっと濃いめのスープ(シチューじゃないです)のような音になった。しばらくの間はこのまま楽しもう。

やったことをまとめてみると…。

このくらいかなあ。

白くまくんでフラッター・エコーは消えたけど、音の変化はわからないです。

コンデンサーは、御田さんからいただいたオーリキャップが優秀すぎたのだろう、スーパーツイーターの音が目立つようになった。こうなるとASCに戻しても、同じ0.22µFでは気になってしまい、0.15まで落とした。(せっかくいただいたのに、申し訳ないです)

ACケーブルでの変化はうちの奥さんでも分かった。低音の量感が増し、全体に優しく、強くなる。だいたい、ACケーブルをいつまでもオリジナルのまま使ってるのが、おかしいのかも。ははは。
実はアンプのACケーブルはまだオリジナルなのです。そろそろ、替えるべき頃かもしれない。


4月19日、市川さんが遊びに来てくれました。

市川さんは、上の方では「
川さん」と書いています。表記が統一できてなくてすみません(笑)。

市川さんが持ってきてくれた、クラプトンとB.B.キングのブルースがとても気持ちよかったです。

このところ、ブラジルやアルゼンチンの伝統を感じさせる音楽とか、レゲエとか、ロックだったらブルースの香りがするものとか、そういう音楽に魅かれるようになってきた。
これは、僕たちの生活や仕事に強制的な影響を及ぼすグローバリゼーションに対して、僕たちの感性が違和感を訴えているということかも知れない。

なーんてね。ほんとは単にトシのせいだったりして。

でも、仮に伝統的なもの、民族的なものへの指向であったとしても、民謡や雅楽をきくということにはならないんだよなあ。これは、さみしいことです。僕たちの伝統的な音楽っていうのは、どこに行ってしまったのだろう。


市川さんからいただいた感想。


hpで任三郎家の部分部分は知っていたものの実際に訪問してみると、
場面場面が全部つながって頭の中で俯瞰図が完成しました。
やっと、気分がすっきりしました。
(次は河野家がターゲットかな...)

ニアフィールド専門の私としては、任三郎家のLivingのエアヴォリュームは、
うらやましいものがありました。任三郎サウンドは、そのエアヴォリュームを十分
に生かした響きの豊かなサウンドでした。

任三郎さんが厳選したソースも、私が持参したソースも、
どれも気持ちよく鳴り楽しい午後のひとときを堪能しました。

分析的な、たまに嫌な音を出すようなオーディオマニア的な神経質すぎる音では決してなく、
本当に音楽が好きな人の好むようなおおらかな鳴らし方でした。
ピアノやギターなどのアコースティックな楽器を、
ソロで収録したようなソースでは抜群の気持ちよさでした。
一方、オーケストラの楽曲も音場豊かにスケール大きく再生します。

CDの再生では、ややアンプの個性が支配的だなと感じましたが、
アナログの再生ではそれぞれの入り口の個性を強く表わしていました。
つまり、それだけフラットな再生能力を持ったシステムなのでしょう。

ZYX+コニサーはやはり魅力的な組み合わせで、
ZYXの持つ分析的な現代性を生かしつつも珠玉の音色にしてしまうコニサーは、
やはり、いつかは手に入れなければならない逸品だと感じました。

コーヒーとケーキおいしかったです。ご馳走様でした。
濃厚でありながらも後味がさわやかなコーヒーの味は、
任三郎サウンドと良く似ているなと思いながら家路につきました。

私の家にもまたおいでください。
pw-1+mm8.5は少しずつ仲良しになりつつあります。

市川雅康



市川さんはステラヴォックスのパワーアンプを導入、バイアンプにしたそうです。
調整が一段落したら、またきかせてもらおっと。

CDプレーヤーのレンズをお掃除してみたら、音の芯が強くなって、きいていて気持ちがいい。
たまには掃除してみるものですね。


昨年のパット・メセニーのコンサートが「スピーキング・オブ・ナウ ライヴ・イン・ジャパン」というDVDになるそうで、さっそく予約した。だけど、僕がもっている「DVDを再生できるキカイ」はPS2とパソコンのドライブだから、どちらも音がよくない。ということで、単体のDVDプレーヤーを初めて購入してみました。
テレビに繋ぐだけだから、プログレッシブ機能もない一番簡単なタイプにしたのだけど、それにしても安い。以前、レーザーディスクプレーヤーを買ったときは15万円くらいしたのに、その10分の1の値段でした。これでそこそこ楽しめるのなら、ありがたいことです。

そのコンサートでリチャード・ボナに感激したと前に書いたけど、ようやくボナのリーダー作2枚をきいた。ここ何ヶ月か、カエターノ・ヴェローゾばかり買ってはきいていたので、なかなかボナの順番が来なかったのです。

2枚とも期待どおりよかったけど、どちらか1枚きいてみるなら、2枚目の「REVERENCE」がお勧めかなあ。日本盤は「みんなの歌」のために作られた「風がくれたメロディ」も入っていて、僕はもうカラオケで歌えるくらいに覚えてしまいました。いや、歌わないですけど。
7月の渡辺貞夫のコンサートでベースを弾くそうなので、さっそくチケットを予約してしまった。

このホームページを立ち上げたのは2002年5月の連休だったので、早いもので1年になりました。


5月16日、一関のジャズ喫茶、ベイシーに初めて行きました。

ベイシーはすごかったです。
でも、なんていうか、音がどうだったかというのは、うまく書けません。
すごかった、よかった、というしかない。
あの音が一般に公開されているのだから、きかないのはもったいない。

ひとつだけ書くと、ポイントは「土蔵」ですね。

マスターの才能や努力によってあの音が出ている訳で、土蔵があればすむということではないのですが、しかし土蔵は重要。
僕も土蔵のあるおうちが欲しくなりました。誰か売ってください(笑)。

そういえば以前、さだまさしさんが千葉の市川に家を買ったときも、その家についていた土蔵が目的だった、という話があったなあ。こちらはもちろんスタジオにされた訳ですが。あの家はその後どうなったのだろうか。

ベイシーで、あらためてジャズをきく楽しさを教えてもらった。

JAZZへの扉



K's戯れる会の貸し出し。今回はAETの新しいRCAケーブルと、右のスパイクです。

ケーブルは、先週発売されたオーディオアクセサリー誌でも紹介されていた「SCR LINE」。情報量が多く色づけの少ない、いいケーブルだと思う。
空間表現もたいしたものだ。まあ、僕のクレッシェンドくんにはかなわないけどね。
(注:そんなことない、という意見もある模様。ホントは僕のところの場合、XLRで比べてみないと分からないのです。)

スパイク受けをCDプレーヤーに試してみたら、ジャック・ディジョネットのタイコがいい感じで鳴るので、購入しました。

コニサーにも試してみたけど、こちらはあまり意味なし。木の箱のコニサーに合うスパイク受けは、もっといろいろ試す必要がありそうだ。


和田さんからメールをいただきましたっ。


はじめまして
和田博巳と申します。
只今深夜の3時ですが、ネットサーフィンしていたら、
本当に全く偶然このホームページに辿り着きまして、
山本さんがよく出てくるので、アハハ……なんて楽しんで読んでいました。
そうしたら最後の方で突然ぼくの30年前の記事が出てきてビックリ、
イヤハヤ本当に驚きました。あの雑誌はあっという間に無くしちゃったので、
取材された事すら忘れていました。懐かしいなあ、狭山の米軍ハウス。

……

全部は見せてあげません。(笑)

探していた MC30 super II を入手した。

個性的なカートリッジだ。
何にでも合うというタイプではなくて、
「でもこれじゃないとね」っていう世界がある。
このオルトフォンのカートリッジできいているのは、こういうLP。

MC30とコニサーでフィッシャー・ディースカウをきいていると、
「参りました。私が間違ってました」っていう感じです。
何を間違っていたかは、内緒ですけど。


ヤマハにZYX、ビクターにはモノラル。
これまでは、1台のプレーヤーにカートリッジが一つずつの、平和な状態でした。針圧をはかる機会は少ないから、シュアーの針圧計で十分だった。

でもMC30を手に入れて、カートリッジの付け替えをけっこう頻繁にするとなると、シーソー式の針圧計では少し手間だ。

ということで、デジタル針圧計を入手しました。WindsのALM-01は、操作も簡単で、針圧を数字で示してくれるから、再現性があってよい。
ボリュームや針圧は、数字で表示してくれた方が何かと便利ですね。


そうそう。僕はシュアーの針圧計の精度をあまり信用していなかったのだけど、Windsで計り直してみるとけっこう正確だということがわかった。シュアーさんごめんなさいね。


千葉の稲毛にあるジャズ喫茶、CANDYに行って来ました。

CANDYは稲毛駅に近い住宅街にある、とてもきれいなお店です。
ジャズ喫茶では日本一きれい、なのではないかしらん。

JBLの2ウェイをFM Acousticsのパワーアンプで駆動するその音は、太くて濃くて強い。
求めている音をよほど明確にイメージしていないと、ここまでは来ないでしょう。といっても、極端にデフォルメされた音ではなくて、ちゃんと常識はふまえている。

まあ、アコースティックギターが「鉄製ボディ重さ50kg」って感じで鳴ったりとかはするのですが。
とにかく音の方向性が明確なので、それもまたよしだろう、という説得力があります。

ベイシーの音は完成された宇宙だけど、CANDYの音はまだまだ良くなりそうな気にさせるのも、面白い。

2003年6月7日、新子安にあるビクターのマスタリングセンターに行く。

マスタリングエンジニア瀧口博達さんのスタジオで、ご本人の解説付きで音をきかせていただきました。

マスタリングスタジオの音は、拍子抜けするくらい「なんでもない」音だった。
これはきっとたいへんなことで、音の違いを際だたせるために徹底して強調感をなくし、色づけを排除していくと、あのような音になるのだろう。
自分の部屋で出したい音の方向とはもちろん違うけれど、「測定器」として高度に調整された音をきくことができたのは、とても勉強になった。

ベートーベンのバイオリン協奏曲をハイフェッツが弾いた RCA Living Stereo 盤がある。xrcd24の制作のため、アメリカでそのオリジナル3トラックテープから2トラックにコピーしてきたというテープもきかせていただいた。CDと違ってエッジが強調されない自然な表現にききほれました。

6月14日、KENWOODのKP-9010を導入。
KP-9010は、X字型のダイキャストフレームにモーターやアームを載せた、リジッドな構造のレコードプレーヤーだ。

ZYX−KENWOOD−コニサーの組合せできくLPは、とてもシャープで現代的な音。
MC30super II−YAMAHA−SOUND PE700の方は柔らかくゆったりとした音。

個性を楽しめる2つのラインができあがった。

モノラルのカートリッジを両方のラインで試してみたら、KENWOOD+コニサーの方がよかった。
古いモノラルレコードからほこりっぽさのない、つやのある音を引き出してくれる。きいていて気持ちがいい。
この感じが、欲しかったのです。

例えばこういうLPをきいている。

アンプのACケーブルは、シナジスティック・リサーチのリファレンスACマスターカプラーにした。
壁のコンセントに直結させるため、少し長めのものを注文。

なにしろ今までがアンプ付属のケーブルだったから、音の違いは歴然です。

一つ一つの音像が小さくなり、音場は広大になり、奥に展開する。
高さもよくでている。エコーが長くなり、音像本体とエコーがよく分離する。
音色は雑味が取れ、きれい。

要するに全体的によくなっているわけですね。

使い始めて2週間と少し。
最初の頃に比べると、よりノイズが減った印象で、ツィマーマンのピアノがさらになめらかで実体感のある音になった。

シナジスティック・リサーチのケーブルには「アクティブ・シールディング」という電気シールドがついている。このシールド用の2極プラグに極性は指定されていないけど、どちら向きにコンセントに挿すかでずいぶん音が違う。音がいい方を「正」とすると、「正>無し>逆」の順になる。逆に挿すくらいなら、シールドを使わない方がいいわけです。我が家では、違いは主として高さの出かたでした。これは耳できいて、いい方を自分で選ぶしかない。

和田博巳さんが発案されたロックなオーディオ誌、
「BEATSOUND」が発売されています。

昨日かおとといくらいに本屋さんに並んだ模様。

売り切れないうちに買いに行きましょう!

2003.06.26

世田谷の中尾さんのお宅に伺わせていただきました。

中尾さんのリビングは高くて丸みを帯びた天井が素敵で、JOBのアンプで鳴らすロジャースLS5/9が幸せの世界へと連れていってくれます。カメラを忘れたので、写真をお見せできないのが残念。こちらはリラックスしてきくためのセカンドシステム。

メインシステムは離れのひと部屋に置かれたJBLランサー101。エレクトロニクスはWadia861とコンセントラ。ボブ・ディランとエミルー・ハリスのデュエットがとても気持ちよくきけました。


B&Oのイヤフォン A8。

耳に入れるタイプのイヤフォンは苦手なので、モバイルのオーディオは遠慮していたけど、これのおかげで電車の中でも音楽を楽しめるようになった。

音が特別よいということはないのですが、装着感は抜群です。



一関ベイシーできかせていただいたLPのうちの1枚、バディ・リッチです。

ベイシーでは、ドラムがナマで鳴っているようにきこえます。
演奏のききどころがくると、マスターは指定席にスピーカーを背にして座るのですが、これはきっと、自分がドラムを叩いている気分になれるから、だと思いました。

AETのRCAケーブル「SCR LINE」。
K's戯れる会の貸し出しできいて、けっこう気に入ったので使ってみることにした。

これに比べると、手持ちのWireworldは少し色づけのある音で、その分だけ空気感や奥行きが減る感じ。「キャラクターが付いて丸くなる」というところでしょうか。オブラートに包んだ美音、と言えないこともない。

AETはコニサーとコンセントラの間で使い、Wireworldはサウンドのフォノイコとコンセントラの間で使うことにした。

Yahooのオークションに1日でCDを何枚出品できるか、に挑戦!

50枚出品できたのですが、半分が一気に落札されてさあたいへん。
先ほどようやく発送の準備を終えました。
出品はやはり、少しずつするものですね。あー疲れた。

SDサウンド TOPSTONE i−1

アウトプット・トランスを使わない真空管アンプです。
これもK's戯れる会の貸し出しで試聴させていただきました。
山本親分の常用機でもあります。

我が家でのアイワンは、なめらかでしなやか、しっとりとしていて、
とても気持ちいい音でした。
ダイナミックオーディオ東さんのところの、KALISTA+LINN+Verity Audioの音と、ちょっと似た感じだったかも。
きれいでしょ


この続きは、「オーディオのページ2」をご覧ください。


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